太陽の塔
映画「太陽の塔」を観てはじめて
あの塔が人類の技術革新による
安易な進化論に対するアンチテーゼだったと
はじめて知りました。
国民啓蒙のための国の一大事業であった
大阪万博の「人類の進化と調和」に対して
人類は進化などしていないと豪語する
岡本太郎が起用されたことは
奇跡的な出来事に思えます。
進化の流れを生命の樹に表現しています。
彼は人類に対してとても懐疑的で
アメーバよりも小さな存在として表現していますが、
わたしには人類の体のなかにはまさに
アメーバから今に至るすべての歴史が刻まれ
過去、現在、未来のすべてを包括する情報が
刻まれているように思いました。
わたしたちが意識しようがしまいが
わたしたちは脈々と流れる命のルーツを体に宿し
ひとりの人生のなかで学ぶ内容を超えて
体に刻まれた情報のうえに生かされている。
そういう存在であると。
時代、人類、起源、進化、歴史、日本、
芸術、チベット、仏教 などなど
たくさんのキーワードでわたしたちの
根源に迫ろうとする意欲作でした。
監督の深い知見と強い意志に
心からの尊敬をこめて。